バイオスティミュラント

バイオスティミュラント
バイオスティミュラント=植物の本来の力を引き出し、収量や品質、ストレス耐性を高める新しい生育促進資材

バイオスティミュラント(ばいおすてぃみゅらんと:Biostimulant 略称=BS)とは、植物や土壌に作用し、作物の生育を改善したり、ストレスへの耐性を高めたりする「生物由来の資材」です。

肥料のように栄養を直接供給するのではなく、植物自身の機能を引き出すことにより、光合成や根の成長、病害に対する抵抗性の強化など、様々な面で作物の健全な発育をサポートします。

近年は、気候変動や環境への負荷軽減を背景に注目され、欧米を中心に市場規模が拡大し、日本でも導入が進んでいます。

同意語としては「生物刺激剤」や「植物活性資材」があります。

バイオスティミュラントの概要

  • 分類カテゴリ:植物成長調整剤、土壌改良、農業資材
  • 主な対象作物:トマト(野菜類)、リンゴ(果樹類)、ペチュニア(花卉類)
  • 成分例:海藻抽出物、トレハロース、腐植酸、微生物、アミノ酸

バイオスティミュラントの詳細説明

  1. 非生物的ストレスへの対応
    高温・乾燥・塩害・寒冷などの非生物的(ひせいぶつてき)ストレスは、作物に大きなダメージを与えます。バイオスティミュラントは、植物の内部の代謝や抗酸化物質の生成を促し、これらの環境ストレスに対して強い体質へと導きます。

  2. 生育促進と品質向上
    海藻やアミノ酸のような天然由来の成分が、根の伸長や光合成(こうごうせい)能力を高めることで、作物の生育を促進します。その結果、果実や野菜のサイズ、色、糖度といった品質が向上し、収穫後の保存性も改善されます。

  3. 土壌環境の改善
    腐植酸(ふしょくさん)や微生物によって土壌の団粒構造(だんりゅうこうぞう)が形成され、水分保持力や通気性が改善されます。これにより根が健全に伸び、作物全体の健全性が向上します。

バイオスティミュラントの役割

  • 化学肥料の使用量削減:本資材により植物の活性が高まるため、化学肥料への依存度を低減できます。
  • 気候変動対応策:干ばつ・塩害・高温などへの対応策として、農家のリスク軽減に貢献します。
  • 収量と品質の安定化:不安定な環境下でも安定した作物生産が可能になります。

課題と対策

1. 成分の効果に個体差がある

植物種や栽培環境によって効果が異なるため、適正な製品選びと試験導入が必要です。農研機構や大学の研究成果を参考にしましょう。

2. 表示基準や認証制度が未整備

日本では明確な成分表示基準がないため、信頼できるメーカーや第三者機関の認証ラベルを確認することが重要です。

3. 一般の農家への認知度が低い

普及には時間がかかるため、普及活動・実証試験・現地研修などを通じた知識の共有が必要です。自治体やJAとの連携も効果的です。

まとめ

バイオスティミュラントは、植物の力を引き出し、環境にやさしい持続可能な農業を推進するための新たな資材です。
現代の農業では、以下のような「3つの基本資材」に加えて、バイオスティミュラントが“第4の資材”として注目されています。

  1. 育種:品種改良によって病害に強く、収量や品質の高い作物を開発します。

  2. 肥料:窒素・リン酸・カリなどの栄養素を直接植物に供給し、生育を支えます。

  3. 農薬:病害虫や雑草などの外的要因から作物を守り、被害を最小限に抑えます。

  4. バイオスティミュラント:植物の生命活動そのものを活性化させ、ストレス耐性や根の発達、品質向上を間接的に支援します。

バイオスティミュラントは現代の農業で注目される第四の資材

特に気候変動の激しい現代では、環境ストレスに強く、安定した収穫を実現するための補完的な資材として、バイオスティミュラントの重要性が高まっています。
肥料や農薬との併用で効果を最大限に引き出せる点でも注目されており、今後の農業の中核を担う技術として期待されています。

参照リンク

日本バイオスティミュラント協議会

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