警報装置・防犯装置・監視装置とは
警報装置・防犯装置・監視装置とは、
農業用ハウスや圃場、農業施設、設備機器などの状態をセンサーやカメラで確認し、
異常の検知、通知、記録、遠隔確認などを行う機器やシステムです。
施設園芸では、
ハウス内の温度異常、停電、暖房機や換気設備などの機器異常を検知して
スマートフォンなどへ通知する警報装置のほか、
農作物・農業機械・資材などの盗難対策に使用する防犯カメラ、
作物や設備の状態を離れた場所から確認する監視システムなどがあります。
警報・防犯・監視は同じ機能ではありません。
製品によって複数の機能を兼ねる場合がありますが、
何を検知し、どのように知らせ、異常発生後に何ができるのかを分けて確認する必要があります。
警報装置
警報装置は、
温度や設備の状態などを監視し、
あらかじめ設定した条件から外れたり、
機器から異常信号を受けたりした場合に通知する装置です。
施設園芸では、例えば次のような異常が監視対象になります。
- ハウス内の高温・低温
- 停電
- 暖房機の不着火や異常停止
- 換気扇、ポンプ、循環扇などの機器異常
- 扉の開閉や人の侵入
監視できる項目は製品によって異なります。
温度センサーを内蔵する製品もあれば、
制御盤や暖房機などから出力される異常接点を取り込んで監視する製品もあります。
測定できるだけでは警報装置とはいえません。
異常判定の方法、
通知先、
通知手段、
通信障害や停電時の動作まで確認する必要があります。
防犯装置
農業分野の防犯装置には、
監視カメラ、人感センサー、侵入検知装置、
警報音や警告灯を発する装置などがあります。
果樹園や圃場では農作物の盗難、
農業施設では農業機械、燃料、肥料、農薬、資材などの盗難対策に使用されます。
近年は、
携帯電話回線などを利用して、
侵入を検知するとスマートフォンへ通知したり、
離れた場所から映像を確認したりできる製品もあります。
カメラを設置しただけで盗難を防げるわけではありません。
カメラには記録や抑止を期待できますが、
死角、夜間の画質、撮影距離、侵入検知範囲、
録画保存期間、電源、通信状態などによって実際の監視能力は大きく変わります。
屋外へ設置する場合は、
防水・防塵性能、使用温度範囲、
電源の確保方法なども確認します。
監視装置・遠隔監視システム
監視装置は、
ハウス内の温度、湿度、CO2濃度などの環境情報、
設備の運転状態、
カメラ映像などを継続的に確認するための装置やシステムです。
測定値を保存する機能を持つ製品では、
データロガーに近い役割も持ちます。
スマートフォンやパソコンから確認できるクラウド型システムも普及しています。
監視と環境制御は区別して考えます。
監視は、現在の状態や変化を確認する機能です。
環境制御は、
測定した値などを利用して、
換気、暖房、遮光、CO2施用、灌水などの設備を
自動的または遠隔操作で動かす機能です。
監視、警報、環境制御を1つのシステムに統合した製品もあります。
施設園芸で特に確認したい異常
冬期の夜間に暖房機が停止すると、
外気条件や施設の保温性能によっては短時間でハウス内温度が低下します。
夏期に換気設備が停止すれば、
晴天時にはハウス内温度が急上昇し、
高温障害につながる場合があります。
警報装置を選ぶときは、
単に温度を測れるかではなく、
作物に被害が出る前に異常を検知し、対応できる仕組みになっているか
を確認します。
通信と停電への対策
遠隔監視装置で見落とされやすいのが、
監視装置そのものの停電と通信障害です。
例えば、
Wi-Fiルーターと監視装置の両方が同じ商用電源だけで動いている場合、
停電と同時に通信も停止し、
停電したこと自体を外部へ通知できなくなる可能性があります。
警報装置を選定する際は、
- 停電を検知できるか
- 停電後も通知に必要な時間だけ電源を保持できるか
- Wi-Fi、携帯電話回線、専用無線など、どの通信方式を使うか
- 通信回線が停止した場合に異常を検知できるか
- 複数人へ通知できるか
を確認します。
バックアップ電源を搭載していても、
長時間運転できるとは限りません。
保持時間は製品ごとに確認が必要です。
センサーの設置位置にも注意する
警報設定が適切でも、
センサーの位置が不適切なら正しい判断はできません。
例えば温度センサーを
暖房機の温風が直接当たる場所や、
日射を直接受ける場所へ設置すると、
作物周辺の温度を正しく代表しないことがあります。
大規模な連棟ハウスでは、
ハウス内の場所によって温度や湿度が異なる場合があります。
1台のセンサーで施設全体を代表できるとは限りません。
監視目的、
ハウスの規模、
暖房・換気方式、
作物位置などに応じて測定点を決めます。
導入時に多い失敗
警報が届けば作物を守れると考える
警報装置は異常を知らせる装置です。
暖房機を修理したり、
停電を復旧したり、
換気窓を開けたりする機能がなければ、
通知後は人が対応する必要があります。
警報と復旧手段は別に準備します。
通信できることだけ確認して設置する
通常時にスマートフォンで確認できても、
停電や通信設備の故障時に通知できなければ、
重大事故時には役に立たない場合があります。
電源系統と通信経路を含めて確認します。
防犯カメラの画素数だけで選ぶ
高画素でも、
夜間照明、撮影距離、画角、設置高さが適切でなければ
人物や車両を十分に確認できないことがあります。
侵入経路を想定して設置場所を決めます。
監視システムと環境制御システムを同じものと考える
温度や湿度をスマートフォンで確認できても、
換気扇や暖房機を自動制御できるとは限りません。
逆に環境制御システムの中に、
監視や異常通知機能が組み込まれている製品もあります。
導入前に、
「測定」「記録」「通知」「遠隔操作」「自動制御」の
どこまで対応しているかを分けて確認します。
警報装置・防犯装置・監視装置取り扱いメーカー・代理店
| 製造・発売元 | 製品名 | 特徴 |
|---|---|---|
| サンクールシステム株式会社 | 警報ユニット グリーンアイ | ビニールハウスや農場の温度異常、停電、加温機などの機器異常を監視する警報装置。4G/LTE通信により異常をメール通知。温度入力、警報入力、外部ブザー・パトランプ用出力などを備える。 |
| 株式会社farmo | ハウスファーモ | ハウス内の気温・湿度などをスマートフォンやパソコンから確認できる環境モニタリングシステム。設定した条件でスマートフォンへ通知でき、環境データのグラフ表示・保存にも対応。測定項目はタイプにより異なる。 |
| ネポン株式会社 | アグリネット アドバンス ファーマーズサポートネット掲載ページ | ハウス内環境のモニタリング、遠隔制御、監視・警報に対応する農業用クラウドサービス。温度異常、停電、ハウスカオンキ等の異常をメールで通知できる。 |
| 株式会社ニッポー | House NAVI ADVANCE ファーマーズサポートネット掲載ページ | 統合環境制御盤。温度・湿度・CO2濃度などの環境モニタリングと設備制御に対応し、クラウドサービスによる遠隔監視・操作、警報通報機能を利用できる。 |
| 株式会社オムニア・コンチェルト | 農林水産業用監視カメラシステム 環境遠隔監視制御システム Sfumato | カメラと環境制御システムを連携し、圃場、作物、機器の状態を遠隔監視。盗難・鳥獣害対策、環境監視、遠隔栽培指導などに対応する。 |
| 株式会社AZx | MC1 センサー式ソーラーカメラ | 農作物や資機材の盗難対策を想定した防犯・監視カメラ。ソーラー発電、携帯通信、侵入検知、スマートフォンへの通知、録画、サイレン音・光による警告などに対応。 |
| 株式会社ネクサス | スマート農業支援システム ikumo | ビニールハウスの環境監視・遠隔制御システム。温度、湿度、CO2濃度、停電、ボイラーや換気扇などの異常検知・通知に対応する。 |