先刈りとは
先刈り(さきがり)とは、
イグサの生育途中に茎の先端部分を一定の高さで刈りそろえる栽培管理作業です。
イグサでは、
収穫前に一度茎を短く刈り、
株元への光の入り方を改善することで
新しい茎の発生を促します。
単なる草丈調整や収穫作業ではありません。
イグサの収量と品質を左右する
特有の栽培管理の一つです。
先刈りを行う目的
茎が密生したイグサ田では、
生育が進むと株元まで光が届きにくくなります。
先端部を刈り取ることで地表付近への透光性を改善し、
その後に伸びる新芽の発生を促します。
熊本県の栽培技術資料では、
先刈りによる透光改善に加え、
刈取りによる刺激によって
新芽への養分転流を促す効果も示されています。
収穫時に長い原草となるのは、
先刈り後に伸長した茎が中心となります。
先刈りの時期と高さ
先刈りの時期や高さを一律に決めることはできません。
品種、植付時期、生育量、
収穫予定日、作型などによって適切な条件が変わります。
熊本県の一般的な栽培指導では、
収穫のおよそ60~65日前を基準とする例がありますが、
品種によって適する高さや時期は異なります。
例えば「夕凪」では、
着花茎の混入を抑える目的で
品種特性に合わせた先刈り方法が示されています。
「涼風」についても、
収穫時期や目標収量によって
先刈り時期・高さを変更する技術が研究されています。
「毎年同じ日・同じ高さ」で行う作業ではありません。
その年の生育状態と品種に合わせて判断します。
先刈りで注意すること
早く先刈りすれば収量が必ず増えるわけではありません。
先刈り時期を変更すると、
茎数や長茎収量だけでなく、
着花、枯死茎、原草品質などにも影響する場合があります。
低く刈り過ぎたり、
生育が不足した状態で実施したりすると、
その後の伸長が不足して減収につながることがあります。
反対に、
収量増加だけを狙って先刈り時期を早めても、
畳表としての品質が低下する条件があります。
収量と品質を分けて評価する必要があります。
先刈りと収穫の違い
先刈りは、
その時点の茎を商品として収穫する作業ではありません。
その後に発生・伸長する茎を
畳表用原草として育てるための栽培管理です。
最終的な収穫では、
十分に伸長したイグサを刈り取り、
泥染めや乾燥工程へ送ります。
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