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南国市のマンゴー農場が県内の土木建設関係者から注目を集めている。従業員の多くが元建設会社員や作業員。慣れない農作業に戸惑いながら3年目を迎えた。公共事業削減で苦境にある県内の建設業者は今、農業や葬祭業など“畑違い”の新分野への進出に挑戦している。公共事業に大きく依存してきた県内の産業構造が転換できるかどうか、高知産マンゴーの成否が大きな試金石となりそうだ。【服部陽】 ■宮崎に負けん ハウスの中で白いネットにくるまれ、赤く色づき始めたマンゴーがたわわに実っていた。「きれいに実ったらうれしいもんねぇ」。農業生産法人「土佐継承農匠(えん)」(南国市)の生産管理担当常務、前田淳二郎さん(61)が誇らしげだ。今年は昨年より10日前後遅れたが、本格的な出荷は間もなくだ。 同法人は高知市内の建設会社から生まれた。公共工事の受注量が減り、生き残りをかけた新分野進出。農林水産省の補助事業を活用して法人取得した06年からシシトウやマンゴー、ナシなどの栽培に乗り出した。 道路工事など土木一筋40年だった前田さんが失敗談を語ってくれた。土木工事なら設計図通り作れば、軌道に乗って仕事ができる。しかし、農作物は生き物。天候にも左右される。「チューブが詰まって水やりが不十分だったり、肥料を忘れたら葉の色もくすんでくる。順調と思っても目は離せんき、寝る前まで悩んだりね」。 マンゴーは沖縄から苗木をもらい、計32アールある二つのハウスで栽培する。気温6度以下で枯れるとされ、温度管理が重要だ。県内や宮崎県の農家などの意見を参考にしながら、昨年は約4000玉を収穫した。 現在は主に県内のスーパーで「とさおとめマンゴー」のブランド名で、2個入り約5000円で販売する。口コミで客が県外からも農場に訪れるようになり、営業担当専務の岸上孝夫さん(65)は「ここに来てくれるお客さんを大切にして、販売の裾野を広げたいんよ」。目指すのは、高品質で安く、採算が合うシステムの確立だ。「宮崎のマンゴーも有名だけんど、それには負けん。マンゴーを高知の新たな名産品にしたい」。前田さんが熱っぽく語った。 ■相次ぐ倒産 信用調査会社・東京商工リサーチ高知支店によると、昨年度まで3年間の県内企業倒産のうち、建設業が約4割を占めた。昨年度は36社が倒産。県指名業者で有数の実績を持つAランク業者でも倒産し、負債額は全体の5割以上の131億円に上った。 主因は公共工事の削減だ。県内総生産に占める公的支出の割合は約4割。公共事業への依存度は全国でもトップクラス。県の普通建設事業費はピーク時(95年)の3分の1となる約710億円にまで減り、役所の財政悪化が経済界にもダイレクトに響く。県建設業協会の川上勲夫・総括課長は「もう公共工事に頼る時代ではない。新分野や撤退などいろんな研究をすべきで、新分野にしても市場が相手なので、経営方針を抜本的に変えないとうまくいかない」と指摘する。 ■雇用確保へ 県は04年から新分野進出に本腰を入れ始めた。建設業を対象に県内4~6カ所程度で説明会を開催。加えて、企業を資金援助するため昨年度に創設した「こうち産業振興基金」では、建設業向けの支援メニューを盛り込んだ。新分野進出などで経営体質強化につなげようと、年200万円を限度とする助成事業を始め、これまでに農業への進出や新商品開発など3件が採択されている。 県商工政策課は新分野進出を「そう簡単にはいかない」とするが、「従業員の雇用を継続させるための一つの選択肢なので、行政がいつでも相談に乗るなど、きめ細かいバックアップが必要だ」と話している。 6月29日17時1分配信 毎日新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080629-00000268-mailo-l39
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