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県内で、農林業へ深刻な被害をもたらしているニホンジカの捕獲数がここ数年で急増、2007年度は4402匹と4年前の2・4倍に増えた。しかし、被害は減少しておらず、シカの生態に詳しい田辺市ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんは「子どもを産む雌だけが毎年多く残り、個体数が急増している可能性がある。雌を捕る対策を考えないと増加率がさらに高まる」と警鐘を鳴らしている。 県農業環境保全室によると、狩猟と有害駆除を合わせた捕獲数は1996~2004年度は1100~1900匹で推移していたが、05年度は2000匹を大きく超え、06年度は3723匹になった。 雌ジカは2006年度まで、有害鳥獣の駆除以外では捕獲できなかった。このため、県内の07年度捕獲数のうち雌は491匹と1割ほど。性別不明の771匹を全部雌と仮定しても全体の3分の1以下だ。06年度までの10年も全体の1割を大きく下回っていた。 県は1998年度から年間200匹を上限に有害鳥獣として雌ジカを捕獲していた。2007年度に法律の規則改正があり、全国で雌も狩猟対象になったため、有害捕獲の上限を撤廃した。都道府県単位で実情に合わせた計画作りができる「特定鳥獣保護管理計画」は今秋に策定予定で、1日1匹しか捕獲できない制限を緩和しようと検討している。 1994~95年に行った県の調査では、県内を5キロ四方のますに分けたとき、54%の面積で生息が確認された。07年度の調査(1キロ四方)では66%に増え、分布域は北に向かって拡大している。 ニホンジカは8割を超えると言われる高い妊娠率で、2歳の春から10歳ごろまでほぼ毎年1匹ずつ出産する。一夫多妻で、雄は複数の雌を同時期に妊娠させることができる。雌が多いほど、個体数が増加する。 奈良県は00年度に管理計画を策定し、雌も狩猟対象にした。それ以降の雄と雌の捕獲数の割合は4対3だが、個体数減少の兆候は見られないという。同県は「せめて割合が逆転しないと、減少につながらない」と危機感を募らせている。三重県でも01年度に計画を策定し、県南部で雌を狩猟対象にした。両県では07年度から、1人1日1匹までという制限があったのを雄1匹、全体で3匹までに増やした。 鈴木さんは、雌の捕獲数が少ないことについて、狩猟者は角があって見栄えがよく、体が大きい雄ジカを選んで捕獲するからではないかという。「積極的に狩猟者に雌ジカを捕ってもらわないと増加に歯止めはかからない。雌の捕獲に懸賞金をかけるなど対策が必要」と話している。 6月18日17時11分配信 紀伊民報 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080618-00000001-agara-l30
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