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 国内産ダイコンせり値改ざん 京都の卸売会社

2008/06/13

 京都市中央卸売市場で営業する卸売会社「京都青果卸売り」(京都市下京区、小坂勝義社長)が、せりにかけた国内産ダイコンの売買書類を改竄(かいざん)し、書類上の取引価格を不当につり上げていたことが12日、分かった。

 出荷側の希望価格に応じることで、集荷を増やす目的だったとみられ、改竄件数は121件、水増し金額は約200万円に上る。実際の取引額との差額は同社が補填(ほてん)していたという。

 一時的に生産地のブランド力を高めて青果価格の高騰につながった可能性もあり、市は、同社やせり人らに対し入場停止や罰金の行政処分を科した。

 関係者によると、こうした改竄は、市場を通さない産地直送野菜などが増える中で、市場の取引高を増やす目的で日常的に行われているといい、「出荷側とせり人が口裏を合わせていればわからないため発覚したこと自体が極めて珍しい」(市場関係者)という。

 市などによると、卸売会社はせりの後、売れた青果の数量や単価などを出荷側に通知する「売買仕切り書」と、仲卸業者に販売実績を示す「販売原票」を作成、2つの書類には同じ価格を記入しなければならない。

 ところが、同社のせり人は売買仕切り書について、実際の取引価格よりも高い金額を記入する「増仕切り」と呼ばれる手法で書類を偽造。

 出荷側には書類上の金額を支払っていたが、差額は同社が穴埋めしており、一部の取引では仲卸業者と結託して販売原票にも改竄価格を記入した悪質なケースもあったという。

 市の調査で判明した121件の不正取引のうち、16年12月に取引された徳島産ダイコン89箱(1箱約10キロ)は、実際の価格が57100円だったのに対し、書類上の仕切り金額は7万6100円で、差額は1万9000円だった。

 市によると、不正取引が確認できたのは、他に京都や兵庫など13府県産のダイコン。同社関係者から近畿農政局に内部告発があり、同局の指示を受けた市の調査で不正が発覚した。

 同社総務部の河井久雄部長は産経新聞の取材に対し「消費者の信頼を裏切る行為で大変申し訳ない。生産者の希望に応えるため、弊社が赤字覚悟で改竄したことは理解してほしい。卸売業者にとって集荷がなくなることは致命的だ」と釈明した。

 民間信用調査会社によると、同社は昭和23年設立、資本金7000万円で従業員数は80人。昨年3月期の経常損益は約4400万円の黒字だった。

                  ◇

 今回のケースは、卸売会社が利益目的でせり値を改竄したのとは異なり、自腹を切って損をしてでも出荷側の希望に応じて不正取引を繰り返すという卸売会社側の“弱み”が明らかになった。

 背景には、青果物の市場離れが進んでいることがある。

 農水省によると、青果物の平成17年度の市場経由率は64・8%と過去最低を記録。

 新鮮な品を消費者に提供する「直売」が人気で、大型スーパーなどの市場外取引が進んでいることが要因とみられる。

 京都府内のある生産者は、大型スーパーなどと直接取引する理由について「市場に出すよりも手数料が安いから」と説明する。

 生産者の市場離れを食い止めようと、官民挙げての動きも広がっているが、現状では集荷力低下の流れに歯止めがかかっていないという。

 大阪府内の卸売会社経営者は、今回のケースと同様の改竄をしたことがあるといい、「違法行為と分かっていても、生産者の希望に応じなければ、商売として成り立たない」と本音を漏らす。

 青果流通業界に詳しい流通ジャーナリストの小林彰一さんは「誤解を恐れずに言えば、卸売業者は営業上の貸し借りを操作しながら、生産者からの入荷の確保と産地の育成をしている。違法とはいえ、仕切り行為に手を染める業者の気持ちは分からないでもないが、まずは現状の流通形態に合った法整備が必要なのでは」と指摘している。

6月13日7時34分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080613-00000905-san-soci