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 耕作放棄地で大麦栽培、地ビール生産 新潟県など地産地消に活用策

2007/12/30

 農業従事者の高齢化で増加する耕作放棄地を有効活用しようと、新潟県や新潟大などがプロジェクトチームを立ち上げて大麦を栽培、地ビールの製造販売したところ、思わぬヒット商品となっている。農林水産省も「ユニークな取り組みで地産地消につながる」と注目。関係者は「相次ぐ産地偽装で食品への信頼が揺らぐ中、正真正銘の地元産ということが評価されたのではないか」と話している。(花房壮)

 地ビール生産は、新潟県などが新潟市にある耕作放棄地の拡大防止と地域農業の担い手を増やすため、新潟大の福山利範農学部教授らが企画。平成18年8月にビールメーカー「新潟麦酒」(新潟市、宇佐美健社長)やJA越後中央、新潟市、大麦の栽培技術を指導する新潟県などでプロジェクトチームを結成した。
 メンバーは、後継者不足で拡大した新潟市西蒲区の砂丘地約33アールを農家から借りて土壌改良に着手。生い茂った松の木や雑草を抜き取り、土の中で堆(たい)肥(ひ)化させる作業を繰り返して、昨秋、大麦の種をまいた。
 大麦は暖冬の影響で生育が早まったものの、枝分かれした穂を新たに育成するなどして、今年6月に約775キロの収穫に成功。新潟麦酒が仕込み、12月にビール5000本(1本350ミリリットル瓶)と発泡酒6000本(同)を完成させた。
 同社の宇佐美社長は「麦の味と香りがしっかりしている」と手応えをみせる。ビール400円、発泡酒315円で、県内の一部小売店で売り出したが、陳列棚から即日完売が相次ぐ人気ぶりだった。「消費者からは味の良さだけでなく、収穫場所を知っているという安心感があったのではないか」(宇佐美社長)と分析する。
 福山教授は「砂丘地帯の麦栽培データがなく、手探りの研究だった。地ビールを特産品に育てていきたい」と意欲をみせており、来年は大麦の栽培面積を120アールに拡大し、プロジェクトを充実させる予定だ。別の関係者も「今回の成功で、畜産用飼料作りなど、食の安全と地産地消を意識した耕作放棄地の活用策が広がってきた。将来的には地場産の肉料理やチーズを商品化したい」と夢を描いている。

 ■耕作放棄地 1年以上の作付けをせず、今後も作付け見込みのない農地。病害虫の発生や周辺農地への荒廃化原因となる。農家の高齢化などで国内の耕作放棄地は年々増加傾向にあり、平成17年の農林業センサス調査では約38万ヘクタールと推定され、全農地の9・7%を占める。

12月30日20時48分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071230-00000926-san-ind