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 甘柿食害、農家渋い顔 クマ出没に警戒 山形・庄内

2007/10/28

 山形県特産の庄内柿の新ブランドとして2005年に登場した「柿しぐれ」が、思わぬクマの被害に直面している。収穫後に渋抜きする通常の柿と異なり、アルコール入りのビニール袋をかぶせて樹上で甘柿にするため、これまで渋柿に目もくれなかったクマの食害が昨年相次いだ。農家は11月の収穫期を前に警戒を強めている。

 国内の柿産地の北限に当たる山形県遊佐町で、70アールの柿畑を持つ渋谷節朗さん(67)は昨年10月末、約100個の柿しぐれをクマに食べられた。「畑でクマのふんを見つけたことはあるが、柿を40年以上やってきて食害は初めて」と驚く。柿畑の木はビニール袋をかぶせた柿しぐれ用の実と、通常の実が混在している。袋がかぶせてある以外、色付きやにおいは同じだが、クマには柿しぐれが甘柿だと分かるらしい。

 幹にはクマがよじ登ったと見られるつめ跡がまだ残っている。渋谷さんは「他の柿には目もくれず、柿しぐれだけを狙って落とし、地面にビニールを散らかしていった」と、昨年の光景を苦々しく振り返る。
 隣の畑の農家は300個すべてを食べられたため、今年は柿しぐれの生産を見送ったという。

 庄内柿の主力は平核無(ひらたねなし)という品種の渋柿で、集荷場の施設に集め、二酸化炭素を充満させる脱渋処理をしてから出荷する。柿しぐれも同じ品種だが、農家が9月下旬ごろ、同じ木の中から大ぶりの実を選んで一つ一つに固形アルコール入りのビニール袋をかぶせ、渋みを抜く。

 渋抜き自体は2日程度で終わるが、ビニールは付けたままにし、他の柿と見分ける目印や晩秋の降ひょう被害防止に役立てている。木に付いたまま「木ざわし」として自然に渋みが抜ける甘柿のように、熟しながら甘みを増していく。
 収穫は他の柿が終わる11月10日すぎごろから始まる。渋谷さんはクマよけ用にラジオを10台畑に置く。地区では線香をたいたり、わなを仕掛けるなどして自衛に努めている。

 酒田市の庄内みどり農協は「全体のごく一部とはいえ、生産が軌道に乗る中で被害が続くのは避けたい。撃退する決定打はなく、山が豊作になり、クマが人里に下りて来ないよう願うしかない」と話した。



[柿しぐれ] 樹上脱渋柿の愛称。庄内北部を中心に2005年10トン、06年19トン、今年は30トン(見込み)と収量が増えている。果肉にゴマ状の斑点が入り、食感はシャキシャキと硬く、日持ちも良い。従来の柿と差別化し、大きめのサイズを贈答用などの高級品として売り込んでいる。

10月28日6時12分配信 河北新報

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071028-00000018-khk-l06