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メキシコ産、機は熟す 農水産業者、日本輸出へ意欲 |
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メキシコが農水産物の対日輸出を強化し始めた。経済連携協定(EPA)で関税撤廃が進んだうえに、直行便による輸送インフラも整ってきたからだ。とりわけ、太平洋岸のバハカリフォルニア州は、地元政府が農産品の品質保証取得を後押し、日本の消費者を意識した政策に取り組んでいる。増産を計画する農水産業者も多く、日本に熱視線を送っている。(田村龍彦) ◆砂漠のトマト バハカリフォルニア州サンキンティン。3000ヘクタールの土地にトマト栽培のビニールハウスが整然と並んでいる。同州のトマト生産量23万トンのうち6万8000トンを占める大規模農場「ロスピノス」だ。ラスベガスの高級ホテルに納入するなど品質にも定評がある。 経営者のルイス・ロドリゲスさん(63)は、米国に輸出するトマトの価格が1箱(約11キロ)5~25ドルと変動することを挙げ、リスク分散の意味を込めて「日本への輸出は興味がある」と話す。生産量を増やすため、来年は海水を農業用水に変える日本製プラントも導入予定だ。 このトマトを「価格競争力があり、品質が良い」とアピールするのは同州農業振興庁のファン・パブロ・ヘルナンデス長官だ。現在は米国への輸出が大半だが、「日本は買い取り価格が高く、関税も撤廃された」と強い意気込みをみせる。 同州は米国など海外市場を意識することが多かった。しかも、マグロや綿花などは以前から日本に輸出。トマトも、日本が病害を理由に禁止していたメキシコからの輸入を昨年、解禁したことが追い風になっている。 ◆良質さを証明 モノやサービスの自由な移動を促進する日本とメキシコのEPAは平成17年4月に発効。外務省によると、16年度に8317億円だった貿易総額は18年度に1兆4660億円と大きく伸びた。 メキシコ側の輸出意欲も積極化している。メキシコ経済省などが管轄する「メヒコ・カリダ・スプレーマ(最高品質保証)」は、農水産物の衛生状態、安全性などの監査や証明を行う認証システム。事務局のリセット・キンテロ氏は「各国と自由貿易協定を結んでいく中で、メキシコの農産物のイメージ向上のために作られた」と話す。 バハカリフォルニア州は7月25日、農家の認証取得を支援する協定をメヒコ・カリダ・スプレーマ事務局と締結した。生産者も「世界で私たちの良質な商品を証明できる」と取得に前向きだ。 ◆整うインフラ 輸送態勢も整いつつある。アエロメヒコ航空は昨年11月、成田と同州ティファナを結ぶ直行便をスタート。政府の後押しで、北西部のエンセナダ近くに巨大港湾を作る計画も進んでいる。 エンセナダのアワビ養殖業者「アブロネス・クルティバードス」は数年前まで日本に輸出していたが米国経由では輸送時間がかかって鮮度が落ちるため、中止した。ベニート・アルタミラ社長(53)は「直行便なら高い品質で輸送できる」と再開に乗り気だ。日本で好まれる大型のアワビの養殖槽を増設し、2年後には生産量も2倍にする計画を立てている。 ジェトロ海外調査部調査企画課の高橋卓也課長代理は、「関税以上に輸送態勢の整備が重要」と指摘する。 日本のメーカーも関心を示し始めた。キッコーマンは、しょうゆの原料としてメキシコ産塩を使用しているが、添加物などを含め、中国やオーストラリア産に比べて品質が良いという。ケチャップを生産販売する子会社の日本デルモンテを通じて、同州産トマトの調達についても「検討の余地がある」と前向きだ。 8月15日8時1分配信 産経新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070815-00000075-san-bus_all |