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 実りを求めて:模索する長野の農業/2 レタス輸出 /長野

2007/01/03

 ◇リスク恐れず“攻め”
 ◇地場産少ない時期狙い
 「葉もの野菜は輸出出来ないと思っていた。でも、どこかが道を開かなければならなかった」――。年間6万3000トン(05年)とレタスの生産量日本一を誇る川上村の藤原忠彦村長は充実感をみなぎらせる。同村は06年夏、商業ベースで初めてレタス約70トンを台湾に輸出した。反響は上々で、守勢に立つ県内農業の中で、同村は“攻め”の農業を展開する。
 規模の小さな農家の多い県内の中で、人口4500人あまりの川上村は零細と無縁だ。農家戸数は65年の743戸から05年は634戸に減ったが、耕地面積は758ヘクタールから1720ヘクタールと2倍以上に拡大した。1戸あたりの耕地面積は2・71ヘクタールで県平均の約3倍。生産農業所得も約636万円と約9倍だ。05年の農業従事者の平均年齢は52・8歳で、県平均の66・3歳より10歳以上も若い。「30、40代が中心で後継者の悩みもない」(川上村産業建設課)という。大規模経営が安定した所得を生んだ。
 それでも、野菜価格の低迷や野菜消費量の減少などの課題にも直面している。レタスも国内需要は飽和状態で、川上村は新たなマーケットとして海外輸出の道を選んだ。
 狙いはリンゴと同様に台湾だ。温暖な台湾のレタス収穫時期は10月から翌年5月で、夏場はアメリカなどから輸入している。川上村の出荷最盛期と重なり、06年は台湾の地場産が少ない時期を狙い、6月から9月に7000ケース余(1ケース10キロ)を輸出した。
 心配はあった。国内では収穫翌日には店頭にレタスが並ぶが、輸出には10日間を要する。「傷みやすい葉ものを輸出するリスクはあると思った」(藤原村長)という。JA長野八ケ岳(川上村)の職員も「最初はかなり不安だった」と振り返る。だが、不安をよそに輸出は好評だった。懸念された鮮度の低下も予測の範囲内にとどまった。
 課題の一つに台湾の厳しい検疫がある。鮮度を保つためには迅速な輸出ルート確立も求められる。JA担当者は「台湾の消費者は品物の重さを重視していた。味が理解されるまで2、3年はかかりそうだ」と話す。
 “攻め”の農業を進める中で、夏の収穫繁忙期の労働力確保の課題も生じている。繁忙期は1日1500人もの「村外労働力」が必要だが、以前主流だった学生アルバイトが減少。外国人労働者に頼らざるを得ない状況が生まれた。06年9月にはインドネシア人14人が不法就労で摘発される事態も起きた。
 それでも村は攻め続ける。今後シンガポールや香港での展開も視野に入れ、北京五輪で提供する夢も抱く。藤原村長は「輸出で生産活力を付けたい。国境を越えて食べてもらう感動を、農家の若い人に体験してもらいたい」と話している。【江連能弘】=つづく
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 ●耕地面積●
 県内で10ヘクタール以上の大規模農家は95年の119戸から05年は237戸に増えたが、全体の8割は1ヘクタール以下だ。農家の1戸あたりの耕地面積は約90アールで32位(04年)、生産農業所得は約71万円で34位(同)と全国でも下位。全国最多の農家戸数は、裏返せば「小規模・零細」の表れでもある。


1月3日12時1分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070103-00000010-mailo-l20