|
深まる不況を受け、後継者不足に悩む農林漁業や、慢性的な人手不足に悩む福祉職があらためて注目されている。関係者らは「求職者が多い現状は人材確保の好機」ととらえており、県も就業支援策を検討中。不況を「追い風」に変えようと懸命だ。 県内の農業従事者は3万8591人(2005年度)、漁業者は4668人(03年度)で、ともにここ30年間で約4割減少した。6割超が60歳以上で、高齢化も深刻。県の「緑の雇用事業」で若手が増えた林業従事者も約1000人で、ピーク時の10分の1に満たない。 一方で、農林漁業への関心は高まりつつある。雇用情勢悪化に伴う就業の急増はないものの、就業相談は年々増加。中でも人気は林業だ。 大阪市で9、10日にあった全国森林組合連合会の相談会には約1700人が集まり、和歌山県のブースにも昨年の約3倍、109人が訪れた。県林業振興課は3月15日に和歌山市内で県内組合の合同相談会を開く予定で「多くの人から有望な人材を得る好機」と意気込む。 「追い風」を楽観視しているわけではない。県経営支援課は「就農は小さな起業。初期投資や収入安定までの元手が必要だ。不況だからというだけで飛び込んでは本人も周囲も不幸になる」と分析する。県就農支援センター(御坊市)は「就農は軌道に乗るのに3年。5年で無理なら難しい」と話す。 漁業や林業も就業当初の年収は200万円程度。体力的に厳しく、自然条件にも左右される。林業では緑の雇用事業で03~05年度に大量就業した若手が活躍しているが、定着率は約50%。就業には本人の強い意志はもちろん、支援体制づくりが不可欠だ。 県水産振興課は「若者の勢いは業界全体に波及する。20~30年働き、将来、中核を担える人材を得たい」と期待する。「技術研修をはじめ、水産物の価値を向上するための施策を進めたい」と、環境整備にも力を入れる。 一方、福祉関係は平均年齢の「若さ」に悩んでいる。労働条件が厳しく、「生活ができない」と30代で退職する人が少なくない。そんな状況を反映し、不況下でも求職者数が伸び悩んでいる。 県社会福祉協議会は福祉関係職員を対象に、心の健康対策や技術向上の研修を実施している。2月8日には田辺市内で福祉の就職相談会を開く。「福祉職場の意識改革も含め、職員支援に力を入れていく」と話し、多くの参加を呼び掛けている。 1月30日17時16分配信 紀伊民報 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090130-00000001-agara-l30
|