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 環境保全・省エネ生産促進 農林水産物もCO2排出量表示

2009/01/29

 農林水産省は来年度から、温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)の排出を抑制して生産した農林水産物に、基準値に対する排出削減割合や排出量などを表示する「省CO2表示」制度を導入する。同制度を実際に取り入れるかどうかは農林水産物の生産者や流通業者の任意だが、同省では来年度早々にも表示ガイドラインを作成。2009度中に制度をスタートさせることで、温暖化防止に対する消費者の意識向上や、農家や漁業者が環境保全型農業や省エネ型漁業などを導入するためのインセンティブにしたい考えだ。

 農水省が開始する農林水産物の「省CO2表示」は、経済産業省が09年度から試行を開始する工業製品のカーボンフットプリント制度の農林水産物版。カーボンフットプリントは、工業製品の生産から廃棄までの製品の“一生涯(ライフサイクル)”を通じて排出されるCO2量を評価し、製品に表示する制度。

 これに対して農林水産物は、地域特性や気象条件によって投入する資材の種類や量が異なるため、同じ農林水産物でも地域などの条件ごとにCO2排出量が大きく変動する。例えば野菜の場合、露地栽培と、重油を燃料に使うハウス栽培ではCO2排出量が大きく異なる。同様に水産物も、多種多様な魚種によって漁場や漁法が異なり、それによってCO2排出量にも大きな違いが生じる。このため、工業製品を対象としたカーボンフットプリントのように「CO2排出量を一律定量的に数値で表示するのは極めて難しい」(農水省)のが実情だ。

 農水省がまとめた「省CO2表示」に関する中間報告では、農林水産物ごとの排出量表示のほか、通常の生産方法と比べてCO2排出を抑制する栽培方法などで生産した場合、例えば「CO2削減効果30%以上」といった方式で表示することも認める。

 またCO2削減効果を等級別に整理し、木質ペレットなどバイオマス燃料を使用したハウス栽培などは、省エネ対策を講じて栽培するため「☆(1スター)」、さらに資材リサイクルを行った場合は「☆☆(2スター)」など、一定基準に基づいたランク表示も導入する方針だ。

 農水省ではまず、栽培方法によるCO2削減効果などのデータが整理されているコメ、果樹、露地栽培の野菜などからガイドラインを作成し、表示制度を導入していく計画。現時点で基準の作成が難しいハウス栽培や水産物などについても、CO削減効果のデータベースを早急に整備し、09年度中にはガイドラインを作成して表示制度を開始させたい考えだ。

                   ◇

【予報図】

 ■「国産」に新たな付加価値

 農水省は農林水産物の「省CO2表示」に関する中間報告について、消費者や農林漁業関係者の意見を2月19日まで募集している。

 集まった意見を参考に3月下旬までに最終報告書をまとめ、4月からCO2排出量や削減効果などの算出基準、表示方法などの詳細を詰める計画で、農林水産物別の「省CO2表示」ガイドラインを早急に作成する。

 農水省には、経産省のカーボンフットプリント制度で、加工食品のCO2排出量算定基準の策定に全面協力してきた経緯がある。加工食品だけでなく、コメ、野菜、魚介類、木材製品などの一次産品にもCO2排出の削減量や削減努力が分かるような表示がなされれば、地球温暖化防止に向けた消費者や農林漁業者の意識改革も着実に進むだろう。

 ガイドラインに基づく表示制度の試行は09年度中にスタートする予定だが、当面は国産の農林水産物が対象になるとみられる。環境に配慮した国産農林水産物が今後、新たな付加価値として競争力の向上にも一役買いそうだ。(財川典男)  

1月29日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090128-00000053-fsi-ind