◇廃棄物減り環境にも優しく 曲がった野菜や印字ミスの缶詰、包装に傷のある冷凍食品など、十分に食べられるのに捨てられてしまう食品を企業や個人から譲り受け、食費に困る家庭や福祉施設などに無償提供する活動が県内で動き出している。NPO「フードバンクいしかわ」は、年間1900万トンに上る食品廃棄物を減らすため、「『もったいない』を『ありがたい』に変えよう」と呼びかけている。【近藤希実】 フードバンクは1960年代に米国で生まれ、日本では00年、路上生活者の炊き出しの食材を集め始めたのを機に、東京で米国人男性らが中心となって「セカンドハーベスト・ジャパン」を創設。現在は兵庫や愛知、広島県などでも設立されている。 県内では昨年2月、金沢市で運送会社を営む中川務さん(60)が友人らと活動をスタート。業務の一環で処分場に運ぶ食品廃棄物が大型トラックいっぱいなのを見るたび「もったいなくて仕方ない」と歯がゆく思っていたという。8月にNPO法人「フードバンクいしかわ」となり、現在会員は約20人。農協や農家、県内企業など提携先を探して活動している。 だが、フードバンクの認知度は低く、食品の提供を求めても「理念はいいが、社名の入った商品でもしものことがあったら困る」「廃棄は廃棄」と壁は高い。それでも、津田たまえ事務局長は「食事に困る人が助かり、廃棄が減って環境にも良く、企業は廃棄費用が節約できる」と“一石三鳥”の効果を指摘する。 中川さんは、農協でもらった糖度が基準より少し低いメロンを母子家庭に届けた時、子どもが喜んでぱくぱく食べる姿が「胸にズシッと来て、この活動は今の社会に必要だと感じた」と力を込める。 規格外や余った野菜をくれる農家など提携先は増えつつあり、津田事務局長は「フードバンクはシンプルで、誰もが幸せになれる仕組み。災害用備蓄品の提供など、自治体とも協力できれば」と話している。 食品提供や活動への参加は事務局(076・249・0300)へ。 12月1日16時0分配信 毎日新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091201-00000167-mailo-l17 |