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 トラクター・穀物乾燥機に新表示 一目で比較、農機の省エネ性能

2009/01/23

 農林水産省は、2011年度から乗用型トラクターと穀物乾燥機の省エネルギー効果を型式ごとに分かりやすく表示する制度を導入する。

 原油価格の高騰に対応して園芸施設や農業機械でエネルギー効率の高い機種には補助金が支給されているが、新たに導入する制度ではメーカーの型式別に省エネ性能が分かるようにする。表示方法などについて現在検討を進めているが、メーカー別、型式別に省エネ効果を比較できるようにする。

 ◆10年度から試行

 省エネ型機種に対する補助金は現在、高速植え付けが可能で作業時間短縮や燃料節約ができる田植え機や、もみ殻の燃焼熱などを利用することで燃料を節約できる温室など、分野別に省エネ効果の高いタイプごとに機種を指定し、交付している。

 農水省はトラクター、田植え機、コンバイン、穀物乾燥機など幅広い農業機械で省エネ性能を検討。燃料使用量や利用者の幅広さなどを勘案して乗用型トラクターと穀物乾燥機に限定し、09年度中に省エネ性能の実機調査を実施して評価方法を確立する。その調査結果をもとに10年度から型式別の省エネ性能情報の提供を試行させ、11年度から本格導入する計画だ。

 ◆測定・評価に課題

 農水省は、「農業の生産性向上や低コスト化を進める上で農業機械の役割は大きく、化石燃料の使用量を減らすためには省エネ型への切り替えが重要」とし、「農業機械の省エネ性能に関する研究会」を昨年7月に発足。同研究会の下に設立した技術検討会がこのほどまとめた省エネ性能の測定・評価方法など技術面の課題についての中間報告を了承した。

 中間報告では、(1)農機の省エネ性能は経営規模や生産体系によって異なることから農業者に誤解が生じない情報提供の仕方が必要(2)情報の信頼性やデータ整備の費用対効果を踏まえ、制度の開始当初は型式別の情報提供は乗用型トラクターと穀物乾燥機にすべきだ(3)型式別の情報は実機を用いた予備調査を通じて測定方法も含め、慎重に検討すべきだ-といった内容が中間報告に盛り込まれた。

 研究会では、田畑での使用と工場内での固定燃焼試験では省エネ性能に差があったことも指摘されている。10年度に実機による省エネ性能の予備調査を民間団体を対象に補助率2分の1で実施し、評価方法や省エネ情報の提供の仕方などをまとめる計画だ。

                   ◇

【予報図】

 ■開発促す“見える化”

 省エネルギータイプの農業機械の普及推進は、原油高騰対策として導入された経緯がある。原油価格は一時期に比べて安定してきたが、地球温暖化防止のためにも省エネ対策は重要だ。このため、農機の型式ごとに省エネ性能が情報提供される意味は大きい。

 この省エネ化と並行して、バイオディーゼル燃料(BDF)の使用促進も進められているが、地産地消型の地域限定の展開にとどまっているのが現状だ。それも、欧州のように菜種油をそのまま使用すると製造コストが高くつくことから廃食用油をバイオ燃料として利用しており、回収コストや精製コストの削減には限界がある。

 そうした意味でも農機の省エネ化は必須課題だが、信頼性のある省エネ性能のデータ収集には時間がかかる。

 このため、まず乗用型トラクターと穀物乾燥機を対象に2011年度から型式別省エネ性能の情報提供を本格化させようという考えだ。

 型式別の“見える化”を通じて、燃料費の削減と温暖化防止対策を両立させた“エコ農機”の開発が今後、一段と加速する見通しだ。(財川典男)  

1月23日8時32分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090122-00000050-fsi-bus_all