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 コメ生産、住商が農業参入 今春以降、農協・外食・流通と法人

2009/01/20

 住友商事が、日本国内で農業事業に参入する検討に入ったことが19日、明らかになった。早ければ今春以降、東北など各地域単位の農協や外食・流通企業と共同で、コメや野菜などを生産する農業生産法人の設立を目指す。外食産業や流通に続き、大手商社ではトヨタグループの豊田通商が外来野菜のパプリカの農業生産法人を設立しているが、日本人の主食であるコメの農業生産法人は珍しいという。

 ◆地域振興も兼ね

 住商は単独ではなく、東北など各地域の単位農協に加え、取引先の外食、流通チェーンの3者による共同出資の形を検討し、一定量の販路を確保した上で参入する。

 具体的には、住商が現在コメの生産・流通面で関係を深めている「JA秋田おばこ」(秋田県大仙市)や「JA岩手ふるさと」(岩手県奥州市)といった各単位農協との取引関係を発展させる形で、2~3年後にはコメや野菜を作る農業生産法人を3社程度発足させる計画。外食や流通にとっても安全・安心な国産野菜などを安定供給できるメリットがある。

 一方で、企業による農業参入は、優良な土地の確保や、農業生産法人の出資比率が1法人につき上限が原則10%に定められているなど参入障壁も多い。工業品と違って天候リスクもあり採算性も厳しいのが課題だ。

 住商は昨年4月以降、食糧部門担当者数人で構成する社内検討組織「アグリビジネス・タスクフォース」を設け、農業生産法人による参入を検討してきた。ここ数年の世界的な食糧価格高騰に伴い、海外からの調達だけでは安定供給に支障が出かねないと、国内での農業支援を検討してきた。その結果、食料自給率の向上だけでなく、「高齢化や人材不足に悩む各地方の農業の振興・支援策が必要」(同社首脳)と判断した。農業法人は地域振興という社会貢献につながると考えている。

 住商は2003年から、地域農協JA秋田おばこの生産米の仕入れ・販売を開始した。農家1万2000人を対象にしたお米のコンクールで優秀農家上位10人が生産したえりすぐりの「あきたこまち」を「おばこの匠」と名付け、独自企画したコメをブランド化して販売を開始。現在、住商傘下のスーパー「サミット」をはじめ、三越や西友などで販売している。

 ◆「海外撤退」を糧に

 直接の参入規制がない海外では、住商はフィリピンでバナナ生産を手掛けているほか、三井物産も昨年11月にブラジルで大豆などを生産する農業事業に追加出資するなど、大手商社による農業参入の動きが広がっている。しかし、商社は1970年代にこぞってインドネシアなどアジアで農業に参入したが、干魃(かんばつ)などの天候リスクで撤退した経験があり、投資リターンの追求と社会貢献をどうバランスさせるかが課題といえる。  

1月20日8時33分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090119-00000030-fsi-ind