農家の後継者不足問題を解決するため、農業経営を第三者に引き継ぐ方策を考えるシンポジウム(全国農業会議所主催)が16日、熊本市であった。【伊藤奈々恵】 05年農林業センサスによると、年間の農産物販売額が50万円以上の農家の半数近くは後継者がいない。一方で新規就農者からは、農地や資金確保、技術習得に苦しんだという声がある。農業会議所は国の補助を受けて第三者継承の橋渡しをしている。 基調講演で、中央農業総合研究センターの梅本雅さんは、第三者継承成功のポイントとして、農家と継承者の相性▽積極的なコミュニケーション▽文書での契約による事業継承の保証――を挙げた。 実例報告した滋賀県の田中小有里さん(29)は、アルバイトをきっかけに後継者になった。中学から、母親の知り合いの木津治さん(73)の農園でアルバイトをした。大学3年の時に、木津さんに「後継者に」と依頼され、就農した。06年に有限会社「ニューファームSAYURI」を設立、82ヘクタールで米作りを中心に営農している。 木津さんは田中さんの働きぶりを見て任せられると感じたと振り返った。田中さんは「考えながら経営していく農業に魅力を感じている」と話した。 また、山鹿市で温州ミカンを栽培する立山誠一さん(75)の元では、福岡県八女市出身の東拓郎さん(22)が研修している。40年前にミカン作りを始めたころは生活が苦しかったため「子どもには、跡を継げと言わずに、好きなことをさせた」という立山さんのミカンは高品質で知られ、百貨店などで高値で販売されている。東さんは「技術を学び、やるからには一番上を目指したい」と話す。 農業会議所は、マッチング(引き合わせ)、技術や経営ノウハウを引き継ぐ研修までをサポートし、第三者継承を推進している。現在、後継者を求める農家50人、継承希望者が70人登録している。問い合わせは会議所相談センター03・6910・1126。 1月18日16時1分配信 毎日新聞 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090118-00000206-mailo-l43 |