ギャル米、芸能事務所のアミューズ おしゃれに農業 2009/05/27

 【日本の「食」を守れ】(14)

 「あきたこまち」の産地である秋田県大潟村の水田に23日、見た目には農業とは不釣り合いのギャルたちが田植えをする姿があった。東京・渋谷の10代後半から20代のギャルたちが、農業の担い手となり、食料自給率アップを目指すという風変わりなプロジェクトだ。

 農家の手ほどきを受けながら秋田でコメ作りに挑戦し、今秋にはギャル米ならぬ「シブヤ米」を収穫し、商品化する。アパレルメーカーやファッションモデルの協力を得て、農作業に向いたおしゃれな服作りや、ギャルママが子供と一緒に参加できる農業体験イベントも企画している。

 仕掛け人は、「ギャル文化」を社会に理解してもらおうと活動する藤田志穂さん(24)だ。自身のブログで、「いきなりギャルが農業を始めるとゆーのは難しいけど、何かキッカケを作ることで農業自体がもりあがっていけたら」とプロジェクトの狙いをつづる。ブログを通じて共感したギャルたちに、「おしゃれに農業」の輪が広がる。

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 流行に敏感な芸能事務所も、農業に照準を合わせ始めている。サザンオールスターズや福山雅治さんらが所属するアミューズ(東京都渋谷区)は4月、農業を行う新しい部門を立ち上げた。多くの芸能人らを抱えるだけに、「ファンや若者に食の豊かさを伝えたい」と、取締役の市毛るみ子さんは食育に意欲を燃やす。

 アミューズは昨夏、千葉県南房総市の休耕地を借りて農業を始めた。所属する若手俳優の春日由輝さん(22)らが週1、2回、農作業に通う。大根やレタスなど野菜作りに奮闘する姿をブログなど公開している。

 アミューズの農業進出の狙いは、「農業体験をテレビで発信するだけではなく、新たなビジネスにつなげる」ことにある。俳優らが畑で奮闘する姿は、視聴者の心を確実にとらえる。所属女優の上野樹里さん(23)が案内役を務め、1月からテレビ東京で放送中の農業番組「畑のうた」は予想外の高視聴率を記録した。9月までの放送延長が決まり、スポンサーも増えた。

 番組効果でアミューズの農業の認知度が高まり、農家や流通、販売会社から問い合わせも来ているという。市毛さんは「このネットワークを生かし、新たな流通システムを構築していきたい」と、可能性を探る。

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 インターネットや携帯電話のブログを通じて伝わるシブヤ米のギャルや女優、タレントの活動は、若者たちのライフスタイルや生き方に大きな影響を与える。共感する若者が増えれば、農業を変える大きな力になるかもしれない。企業が国産ブランドにめざめ、自然食レストランや有機野菜の宅配の動きが自然体で広がっている。個人の農業回帰の動きも力強い。

 制度面でも、農業生産法人だけでなく、一般企業や個人が農地を借りられるようにして、新たに農業参入する担い手たちを支援する農地法改正作業が、大詰めを迎えている。農業人口の増加や耕作放棄地の解消につながると期待されている。

 ただ、「戦後最大の農地法改正」(農林水産省)も、日本では赤字でも細々と農業を続ける高齢世帯が多く、「農地を集めて集積化するのは容易ではない」(東大大学院教授の鈴木宣弘さん)現実がある。

 農家の高齢化は限界に近づいており、丸紅経済研究所所長の柴田明夫さんは「日本の農業があと3~5年もつのかという危機感がある」と警告する。元気な担い手たちの芽を育てるには、目に見えない規制や障壁を取り除く、日本の将来を見据えた国民的議論が必要かもしれない。

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 引き続き、インタビューシリーズ全4回を掲載します。

 フジサンケイビジネスアイで、『食糧安保を問う(第2部)-元気な担い手たち』として連載中。

5月27日14時39分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090527-00000569-san-bus_all

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