政府が打ち出した「農政改革の検討方向」や生産調整(減反)と米価のシミュレーションについて農林水産省は21日、仙台市青葉区の仙台第一地方合同庁舎で説明会を開いた。参加した約170人の農家や自治体職員からは、農政の目指すべき方向性や減反の在り方などについて意見が相次いだ。 農水省大臣官房政策課の大浦久宜参事官が、農地改革などを含む農政改革の検討方向を説明。 減反と米価のシミュレーションでは、減反の廃止や緩和、強化した場合の5つのパターンに分けて試算結果を提示。減反廃止の場合は、一時的に米価が現在の約半額の7506円(60キロ)にまで下落するとした。 意見交換では「もうかる農業をどう構築するかが課題」「耕作地をこれ以上放棄地にしない対策が必要」という意見のほか、「担い手不足は企業参入では解消しない」「複雑多岐にわたる助成制度は混乱のもと」との指摘もあった。 農水省は同日午前、栗原市の栗っこ農協志波姫支店で、栗原地区の農家や米関連の事業者ら12人を集めた座談会も開いた。 説明会と座談会の開催地は全国計22カ所。東北では宮城と岩手(20日)の計4カ所が会場となった。 ◎支援の具体策提示を 「議論の材料不足」 農林水産省が21日、宮城県内で開いた農政改革、コメ政策に関する説明会と座談会。焦点の生産調整(減反)見直しに関しては、参加した農家や農業関係者からさまざまな意見が出た。ただ農水省が4月に示した減反見直しと米価に関するシミュレーションでは「議論の材料が不足している」と、国にコメ農家への具体的な支援策や、それに伴う財政負担額の提示を求める意見が強く出された。 消費者はともかく農家にとっては、減反見直しで単に米価がどう変動するかではなく、国からの支援も含めたコメ所得全体がどうなるかというのが最大の問題。だが減反見直しで米価が下落した際、農家に対して国がどのような支援を行い、その際の財政負担額がどうなるのかという点は明らかになっていない。 その点を突いて、「担い手を確保していくためには、農家所得のシミュレーションを出さなければ、農家は判断できない」と注文を付けたのは、仙台市での説明会に出席した酒田市農政課の柿崎弘志水田営農主査。 栗原市での座談会終了後、栗原市瀬峰の農業大内一也さん(52)も「シミュレーションが示した5パターンのコメ価格だけなら、いずれも農業をやめるというシナリオしか描けない。減反見直し後、10アール当たりどれだけの補助を出すという具体的な数字や農家支援政策が見えなければ、どういう見直しがいいのか判断できない」と戸惑いを見せた。 農水省は今後、減反見直しに伴う財政負担の試算などを盛り込んだ第2次のシミュレーション結果を公表する方針。 本来ならその結果が出てから国民の意見を聞くべきであり、今回の説明会や座談会だけでは、農水省の「言い訳づくり」と受け取られても仕方がない。(編集委員・長谷川武裕) 5月22日6時14分配信 河北新報 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090522-00000005-khk-l04 |