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地元で収穫した農産物を直売する「産直」が定着しつつある。産地偽装事件が相次いだことなどで食の安全・安心に対する消費者の意識が高まり、不況にもかかわらず紀南各地の直売所では売り上げを伸ばし、出荷者も増えている。各店とも「農家の収入が上がり、地域が元気になっている」と活気づいている。 2008年12月初旬、上富田町岩田にオープンした「口熊野上富田の駅こーなん産直館」は、ホームセンター大手のコーナン商事(本社・堺市)が全国で初めて産直コーナーを設けた店舗。野菜、果物、加工品、米、肉類などのほか、和歌山南漁協と提携して鮮魚の直売もしている。 出荷会員は約350人で、毎日のように新規の申し込みがある。産直コーナーの責任者であるコーナン商事の三宅篤さんは「オープンから4日間の売り上げは予想の2~3割増、その後の売り上げも予想を上回っている」と話す。 特に消費者に好評なのは、魚の直売。水揚げされたばかりの魚を加工せず鮮魚のまま販売する。安定供給が課題だが、漁協の各支所からほぼ毎日出荷があり、客から「新鮮で安い」と喜ばれているという。 田辺市上秋津の「きてら」は、オープンした1999年には出荷会員が100人に満たなかったが、現在は約240人にまで増えた。地域住民が出資した直売所で、店舗はほかの直売所に比べて小さいが、市内の直売所の中では歴史が古い。地元の生産者や消費者に定着し、県外の常連客への通販も好調。着実に売り上げと客数を伸ばしている。 08年11月には、住民らが出資した農業法人が近くに農業体験宿泊施設「秋津野ガルテン」をオープンさせた。施設が注目されて「きてら」への来場者が増えるなど相乗効果をもたらしている。 玉井常貴副社長は「これまでやってきたことの積み重ねが結果につながっている。直売に取り組む農家は地域全体で増えている」と手応えを語る。 田辺市稲成町にある「よってっていなり店」の出荷会員は約650人。2002年の開店当初に比べ倍増している。08年11月と12月は、温州ミカンが不作にもかかわらず、これまでにないほどよく売れたという。 守岡千代美店長は「消費者の目が産直に向いてきている。生産者にとっても、自分で値段を決められるのが魅力で、お客さんとの距離が近いので栽培に力が入っている」と話す。 田辺市秋津町のJA紀南直売所「紀菜柑」は、07年3月のオープンから間もなく2年。当初、野菜の数がそろわず売り上げは苦戦したが、08年は客数、売り上げともに前年の倍増ペース。会員登録だけして出荷したことがない人もいるが、会員は約1000人で、オープン当初より増えている。 生産担当審査役の堀修実さんは「ほかの直売所は意識していない。農家の収入が上がって地域が元気になることを第一に考えている。農家も“売れる農産物”を作り始めており、まいた種の芽が徐々に出てきた」と話している。 1月7日17時15分配信 紀伊民報 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090107-00000001-agara-l30
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