欧州委員会は遺伝子組み換え(GM)作物の栽培の是非について、欧州連合(EU)加盟各国の独自の判断に委ねる考えを明らかにした。正式に発効するには、EU理事会と欧州議会の承認を必要とする。
EUでは現在、GM作物の栽培が厳しく制限されている。欧州委のジョン・ダリ保健・消費者保護担当委員は、状況が地域によって違うことから、栽培の認可、制限、あるいは禁止について、各国がより柔軟に判断できるようにする必要があるとの見解を示した。EUは一方で、既存の認可制度の下、GM作物が健康に与える影響についての研究を継続する方針。
EUでは現在、米モンサントが開発したGMトウモロコシ「MON810」が唯一、商業栽培されている。 3月には独化学大手BASFが開発したGMジャガイモ「アムフローラ(Amflora)」も認可を取得しているが、食用ではなく、工業用でんぷんとして使用される。
欧州委の判断は、スペインやポルトガル、チェコなどGM容認派の国での本格的な商業栽培を可能にする一方、GM作物に否定的な国に対しても法的なお墨付きを与えることになる。
欧州議会の環境委員会のメンバーであるジュリー・ガーリング議員は今回の動きについて、「GM作物がわれわれの食物連鎖に加わることを認めるつもりなら、科学的安全性が110%保証されなければならない」とした上で、欧州委が意思決定プロセスを加盟各国に委ねる点については評価した。一方、環境保護団体フレンズ・オブ・ジ・アース・ヨーロッパは「欧州委はまたも、GM作物の汚染から欧州の食品と飼料を守ることに失敗した」として非難している。
「MON810」は現在、オーストリア、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、ルクセンブルクの6カ国で栽培が禁止されている。オーストリアとハンガリー、ルクセンブルクは「アムフローラ」の栽培も禁止した。ポーランドは現在、全GM作物の販売を禁じている。
7月15日9時30分配信 NNA
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