「かながわ花の名所100選」に選ばれている葉山町堀内のあじさい公園で、散策路沿いに群生するアジサイの葉が虫に食い荒らされる被害が深刻化している。最近、関東でも生息数が増えている甲虫による被害を推測する専門家もいるが、現場ではハチの仲間の幼虫の姿も確認されており、“犯人”の特定には至っていない。間もなく見ごろを迎えるが、公園を管理する葉山町は「今から対策を取っても間に合わない。何の手だてもない」と頭を抱えている。
あじさい公園は町営公園の一つで、相模湾を見渡せるロケーションに約10種類、3千株のアジサイが植えられている。22日現在で五分咲き。食害をもたらした原因が特定できないまま、葉のないアジサイが、咲き具合にどう影響するのかも心配されている。
町都市計画課によると、3年前から被害が確認されるようになり、今年は5月に入ってから目立ち始めた。花芽と葉脈だけを残す哀れな姿をさらすものも少なくない。最近では町民だけでなく、町外から訪れる人からも苦情が寄せられるようになったという。
県農業技術センター(平塚市)は「アジサイの葉には有毒成分が含まれており、食い荒らされるケースは珍しい」としながらも、農作物を食害する害虫でコガネムシ科のアオドウガネの可能性を指摘する。
同センターによると、アオドウガネはもともと九州や四国などに生息していたが、最近は関東地方にも生息するようになり、生息数は増加傾向にあるという。昨年8月には、平塚市内でアジサイの葉がアオドウガネに食い荒らされる同様の被害を確認している。
ただ、今回の食害がアオドウガネによるもの、と断定できない要素もある。アオドウガネの成虫が葉を食べるピークは8月ごろ。5月から大量の被害が確認されるようになった今回のケースとは「時期が異なる」(同センター)からだ。現場では植物の葉を餌にするハムシやハバチなどの幼虫も確認されているが、食害の痕跡だけでは特定できないのが実情だ。
葉山町は「もはや一過性ではない」として、来年から殺虫効果があるとされる木酢液を事前に散布するなどの害虫駆除に乗り出す方針を決めたが「財政難で費用と労力をどれだけ割けられるかは分からない」としており、対応は後手に回っている。
6月23日9時0分配信 カナロコ
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