静岡県が今年度から本格的に進める耕作放棄地の再生事業に農家や民間企業から計12件の申請があったことが7日、分かった。病害虫の発生場所や産業廃棄物の不法投棄場所になりかねない耕作放棄地の解消が目的で、県は平成25年までの4年間で合計2千ヘクタールを削減したいとしている。
県内の耕作放棄地は現在、約1万2千ヘクタール。県農業振興課によると、農産物の価格低下や高齢化、後継者不足を理由に、「昭和60年から平成17年の間に耕作放棄地は3・8倍増えた」という。
この結果、経営耕地面積に対する放棄地の比率は18・5%と全国平均の9・7%を大きく上回る事態になった。特に、日本の国土に多い平野部の縁から山間地にかけての「中山間地」では、耕作放棄地が本県で20%を超えており、問題は深刻になっている。
県は、こうした耕作放棄地が拡大すると、近隣の農地にも悪影響が出る恐れがあるとして、今年度、約1億5千万の予算を計上し、放棄地の解消に向けた本格的な取り組みを始めた。
具体的には、地権者以外の新たな土地の借り手に対して、放棄地の再生に必要な経費を国の負担(事業費の半分)とは別に県と市町で4分の1ずつ負担することになった。このほか、土壌改良や肥料、農薬費を10アールあたり2万5千円負担する補助も始めている。
県農業会議(静岡市葵区)の県担い手育成総合支援協議会によると、この放棄地再生事業に約2カ月で計12件の申請があり、このうち10件にはすでに補助金が交付されたという。
ただ、耕作放棄地は基本的には、地権者が農作業を中止した結果として生じるため、県農業振興課は「地権者も耕作放棄地の解消に努力してほしい」と呼びかけている。
6月8日7時57分配信 産経新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100608-00000016-san-l22