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インフル予防に梅干し 県立医大、ウイルス抑制の新成分発見 2010/06/02

 和歌山県立医科大学の宇都宮洋才准教授と和歌山工業高等専門学校の奥野祥治助教は1日、紀州南高梅干しからインフルエンザウイルスの増殖を抑制する化合物を新発見したと発表した。1日5個程度(約100グラム)食べることで、新型を含むインフルエンザの予防が期待できるという。
 みなべ町と田辺市の梅加工会社5社の寄付で運営する、県立医大の機能性医薬食品探索講座が、2006年から和歌山高専、近畿大学と共同研究していた。
 梅干しから抽出したのは抗酸化作用のあるポリフェノールの一種、「エポキシリオニレシノール」。新型と同型のウイルスを感染させた培養細胞に加え、約7時間後、化合物を加えなかった培養細胞と比べると、ウイルスの量が10分の1だった。他のインフルエンザウイルスでも同等の効果があったという。
 加工法が違うすべての梅干しに共通するかどうかは不明だが、寄付した5社の製品については効果を確認した。機能性を凝縮した梅干しを作ることもできる。
 宇都宮准教授は「抑制のメカニズムは今後の研究課題。学術的にまったく報告のない化合物で、いろんな可能性を秘めている」と話す。成分名が難しいため、分かりやすい通称を付け、普及を図りたいという。
 梅の健康効果はこれまでもいわれていた。梅産地の小中学校では、新型インフルエンザ流行時に梅干し加工時に出る梅酢を感染予防のうがいに用いた。
 宇都宮准教授は「科学的にも効能を証明できた。和歌山の梅干しを毎食食べることで、伝統的な和食を見直してもらいたい」、寄付をした一人、紀州ほそ川の細川清社長は「健康食品と認知され、梅産業の底上げにつながれば」と期待している。
■販売対策などで会議発足 県と紀州梅の会
 梅干しの在庫増加や低温被害による不作など梅産業の厳しい現状を受け、県と紀州梅の会(会長=真砂充敏田辺市長)は近く、「うめ需給・販売対策会議」を発足させる。生産から販売まで関係機関が一体で取り組むのが狙い。県は「まず、効能のPRに力を入れたい」と話している。
 不況やデフレで高級品を中心に県産梅干しの消費が低迷している。今春には低温被害で生産者も大きな打撃を受けた。
 会議では「生産」「消費拡大」「販売」を3本柱に取り組む。特に本年度は販売対策を積極的に行うという。
 例年、収穫した梅の約7割は梅干しになる。県果樹園芸課は「健康増進効果をPRする具体的な取り組みを打ち出したい」と話す。新たな加工技術や新商品開発、食品企業との連携も支援する。
 県によると、県内の梅の農業産出額は約164億円(2008年)。梅加工業者は県内に約300社ある。同課は「梅は非常に重要な産業。何とか経済規模を維持したい」と話している。

6月2日17時4分配信 紀伊民報

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100602-00000001-agara-l30

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