地産地消:「食の安心」求めて 「作り手の顔が見える」(その1) /三重 2009/01/01

 ◇ビバ!「地産地消」
 全国で相次いだ食品偽装や中国製冷凍ギョーザによる中毒事件など、食の安心安全が揺らいでいる。消費者の食に対する不信感は高まる一方だが、日本の07年度の食料自給率はカロリーベースで40%にとどまり、長引く不況もあって安い輸入ものなどに頼らざるを得ないのが現状だ。そうした中、地域で取れた食材を地域で使う「地産地消」が注目を集めている。生産者の顔が見えるという安全性をPRするとともに、町おこしの効果も期待される。安全な食品を届け、手に入れるためには、どうしたらいいのか。伊賀や紀南地域の生産者や消費者の取り組みを紹介する。
 ◆給食--名張・国津小
 ◇地元農家産「自然の味」
 ◇「食育に貢献うれしい」--青空市グループ
 名張市神屋の国津小学校(手塚倫生校長、32人)では、給食の時間になると全児童が一つの教室に集まる。「給食は大好き。いろんな学年の子とみんなで食べるからおいしい」と笑う児童らの机には、地元農家が育てた大根やキャベツ、水菜などの野菜や米を使った給食が並ぶ。手塚校長も「生産者の顔が見えて安心だし、スーパーで買う野菜と違って自然の味がする」と話す。
 市街地から離れた農村部にある小規模特認校の同小は、3年前から独自に、地元の青空市グループや農家と連携した地産地消の給食作りを始めた。メニューが全市共通なこともあり、すべてを地元産食材で賄うことはできないが、それでも米は100%、野菜も約4割が地元産だ。その割合は毎年増え続け、児童が校内の畑(約20平方メートル)で育てている野菜も一役買う。
 給食用に野菜を届けている地元の青空市グループ「奈垣村おこし市」の中山ツヤ子さん(73)は、「虫が食べているような野菜じゃないとうそですよ」と話す。農薬や機械をほとんど使わず、鍬(くわ)や堆肥(たいひ)を使って育て、会員11人が学校の注文に応じて計約25種類の野菜を学校に届けている。
 「ついつい注文よりたくさん届けてしまう」という村おこし市の野菜は市価よりも割安で、市内17小学校で国津小だけが1カ月間の1人当たりの給食費が3800円と、4000円を割り込む。
 村おこし市の会員の平均年齢は76歳。大規模校に出荷できるほどの野菜を作るのは難しいが、中山さんは「社会や学校に必要とされているというのが何よりの生きがい。安心安全の食材が、子どもたちの食育に貢献できればうれしい」と、地元の食育を支えている。【金森崇之】
 ◇バリっ子給食
 名張市は05年から、本格的に地元産食材を使った給食作りに取り組み始め、現在は月に2~3回、全小学校の給食の一部で地元産野菜を使う「バリっ子給食」を実施している。村おこし市など市内七つの青空市が昨年12月に始めたファーマーズマーケットが軌道に乗れば、給食での全市的な地産地消の取り組みを更に進める方針だ。
 ◆みえの安心食材
 ◇「人と自然にやさしい」農家を認定
 ◇県独自、消費者の志向に応え
 消費者の安全・安心志向に応えようと、県は「みえの安心食材」制度を独自に制定、運用している。「人と自然にやさしい方法」での生産に取り組んでいる農家らを認定する制度で、昨年10月末現在、599の個人・団体が認定を受け、このうち、伊賀、紀南地域は各約30件。認定農家は年々増加している。
 対象は米・野菜・果物・きのこ・鶏卵の生産農家。認定を受けるには、環境に優しい資材の使用▽適正な方法での廃棄物処理▽生産履歴の公開――などが必要。財団法人県農林水産支援センターが現地調査の上、認定し、期間は1年。基準に反した場合、取り消しとなる。
 具体的には、農産物の場合、化学窒素や化学合成農薬の使用節減や土壌診断の実施、低毒性農薬の使用のほか、栽培管理の記録・保管と生産情報の公開が必須となる。
 認定を受けた生産者は認定マーク=写真=を使用して販売できる。マークには固有の登録番号が併記されており、購入者はホームページ(http://www.mie‐ansinsyokuzai.org/)で検索すれば生産者の氏名、住所、連絡先と栽培情報を知ることができる。【渕脇直樹】
〔伊賀版〕

1月1日17時0分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090101-00000094-mailo-l24

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